整形外科手術における静脈血栓塞栓症の予防



骨盤,下肢手術後においては,早期離床や積極的な運動に加え,早期荷重が重要である。

人工股関節全置換術,人工膝関節全置換術,股関節骨折手術

  1. 股関節骨折手術については,理想的な予防法がないため,上記の表を参考として個々の症例に応じた予防法を考慮する。
  2. 股関節骨折は,受傷直後より深部静脈血栓症が発生する可能性があり,早期手術,早期離床が非常に重要である。
  3. 間欠的空気圧迫法を手術後に使用する場合は深部静脈血栓症の有無を事前に確認すべきであるが,それが困難である場合にはインフォームド・コンセントを取得してから施行し,また肺血栓塞栓症の発症に十分注意を払うべきである。

脊椎手術,骨盤・下肢手術(人工股関節全置換術,
人工膝関節全置換術,股関節骨折手術を除く)

  1. 弾性ストッキングや間欠的空気圧迫法が装着困難な下腿骨折は,早期手術,早期離床,早期荷重に努める。
  2. キアリ骨盤骨切り術や寛骨臼回転骨切り術は,人工股関節全置換術に準じて予防を施行した方がよい。
  3. 脊椎手術は血腫による神経麻痺が発生する可能性があり,予防的な抗凝固療法は現状では推奨できない。

上肢手術

上肢手術は遅くとも翌日には離床できるため,特別な血栓予防は必要ない。



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